魔法のシャーペン

現実は厳しいと言うけれど全くその通りだと思う。そうでなければ今日帰ってきたこの模試の点数がキット良かったはずだから志望校D判定?――はっ! なにが「志望校の変更をお進めする」だ。僕が今日まで頑張って三葉減肥茶きたのはこんな言葉を見たかったからじゃない。春から僕が通おうと夢見る**大学に行きたいが為に青春の1ページを削っているんだ。
 僕は模試の結果をビリビリと引き裂いた。英語や数学の結果が無惨にも切り刻まれていく。破るたびに僕のこころの内側がピリリと痛む気がした。今やただの紙切れとなったその残骸は床から僕を恨めしそうに眺めていた。
「ふんっいい気味だ。散々僕を馬鹿にしやがって」
 紙を足で蹴散らしてから僕は椅子にもたれ掛かった。ムシャクシャする。何か気が紛れるものはないのか?
 机の脇に積み上げられた教科書の間に一冊薄い本が挟まっているのが目に入った。確か去年の暮れに古本屋で買ったあの文庫本に違いない。未読だからちょうどいい機会かもしれない。僕は今にも雪崩れてきそうな教科書を押さえながら、その文庫本を取り出した。Health Care Slimming
安部公房……か」
 確か国語で習ったことのある文豪の名であることは分かったが、具体的なことまでは思い出せなかった。勉強が足りないと言われればその通りなのだが僕は気にしないことにした。
「長いのは集中力が持たないな。どうせなら短編を読んでみようかな」
 僕はパラパラと文庫本をめくった。色々な作品が載っていたが、そのなかで短めと思った『魔法のチョーク』という作品を読むことにした。
 全国模試で国語が200点満点中96点という僕には、主人公が魔法のチョークを手に入れて、それを使って描いたものがなんでも叶えられると言うことしか理解できなかった。これが国語の成績が良ければ高尚なテーマが見つけられるのだろな。くそっ。
「でもチョークで描いたものが全部本当になっちゃうなんて羨ましすぎるよな。そうすればこの終わってる状況だってなんとかなるのに。あーこのシャーペンが魔法のシャーペンだったらな僕はふざけてノートに「宝くじが当たる。今日はすき焼きだ!デザートにケーキを食べる」と書き殴った。降脂茶(銀杏型)
 夕方になり父がなにやら上機嫌で帰宅してきた。いつもは仏頂面をしているのだが、今日は気持ちも悪いほど満面の笑みである。母が遠慮がちに父に尋ねた。
「あなた、何か良いことでもあったんですか?」
「聞いてくれよ、なんと宝くじが当たったんだよ! ほらこないだ買ったやつ」
「ええ! まさか当たるなんて」
「そう俺もそう思ったよ。あまりに嬉しいから駅前のケーキを買ってきたよ」
「じゃあ早速冷蔵庫に入れますね」
「母さん今日の夕飯は?」
「すき焼きですよ」
――すき焼きだって? これじゃさっき書いたのと同じじゃないか。まさか。
 僕はすき焼きとケーキを急いで食べて、自分の部屋に駆け込んだ。
「本当に。本当に魔法のシャーペンになったんだ!」

 次の日僕はこのことを親友の高東アユムに話した。アユムは僕の話を全部聞き終えてからため息をついた。
「君はちょっと受験勉強のしすぎだよ。たまにはリラックスしたらどうだ?」
「ホントの話だって! 信じてくれよ」アロエ排毒養顔カプセル
「大体高校生にもなって魔法のシャーペンだの言ってるやつがいるかっての。頭冷やせよ。偶然だ、偶然」
 「でも……」
 考えてみればおかしな話かも知れない。魔法なんてあるわけないだろう。常識的に考えろ。
 僕が笑いながら「そうだよな。ありえないよな」と言ったら、アユムが「当たり前だ。冗談は顔だけにしろよ」とからかった。
 そう、あり得ないんだよ。当たり前。

 しばらく僕はその魔法のシャーペンのことは忘れていた。次に思い出したのは入試直前である。志望校に未だD判定の僕は半ば諦めかけていた。浪人してもう1年と思うと気が重くなる一方だったが、心のどこかで自分の合格を信じてもいた。
 受験対策セミナーでもらった問題集を解いていると、愛用のシャーペンがどうにも動かなくなった。脂肪戦闘機
「あれっ芯が出ないんですけど。ちょっとー待ってよ。縁起悪っ」
 カチカチと押してみるがやっぱり出ない。僕はイライラしてシャーペンを放り投げた。その時ふと机の中にしまってある例のシャーペンのことを思い出した。引き出しを開けてみるとそのシャーペンは確かにあった(魔法の……シャーペンだよな? なんでも叶えてくれるんだろ?)
 試しに僕は「アユムが僕に電話をかけてくる」と書いた。あり得ない。あり得ない。でも魔法のシャーペンだ。あり得るかも知れない。常識的に? 常識ってなんだ? 人が決めてるつまんないものだろ? じゃあ無くなればいい。
 電話が鳴った。
 答えは聞かなくても分かってる。決まりだ。
 ――あれは、「魔法のシャーペン」だったのだ。

 入試当日僕はその魔法のシャーペンで「**大学合格」と書いた。アユムはそのことを話すとあきれた顔でこちらを見ていた。僕は気にしない。なんたって魔法のシャーペンだから。神のみぞ知ることを僕は知っている。
 試験官が問題を配る。僕の手元にも問題用紙が来た。いよいよだ。韓国痩身一号(修腕型)
 僕は魔法のシャーペンを握った。その瞬間芯がなぜかポキリと折れた。
 あれ軽体堂康秀カプセル「試験はじめ!」